首相はベトナム宇宙委員会の設立を決定した。今後の宇宙技術の研究や応用の足がかりとなる。
宇宙委員会は科学技術大臣を委員長とし、「2020年までの宇宙技術の研究・応用戦略」の実現において、政府が各省庁間にまたがる問題の解決や指導、研究をするための諮問組織となる。同時にその時期に応じ戦略を実現するための計画や措置を研究し首相に提出する。
2020年までの宇宙技術研究・応用戦略を効果的に実現する最初のプロジェクトのひとつに、宇宙技術院が展開するHoa Lacハイテクパークでのベトナム宇宙技術研究・展開区プロジェクトがある。提案によるとこれは2010~2017年にかけて展開され、総経費は3億5,000万ドル、日本のODA融資が用いられ、衛星製造センター、衛星制御センター、天文台といった14のエリアからなる。
現在、センターの建設に必要な作業は終えており、2012~2017年に技術インフラと専門家を整え、2017年までにベトナムは技術面で主体的になり、レーダーと光学技術によりあらゆる気象条件で写真撮影ができる500kg以下の小型衛星を自主製造できるようにしていく。運用が始まればセンターは、自然災害や環境被害の監視及び早期警戒、農業・水産業向けの予報、電子地図の更新、道路案内システムの構築、世界的な気候変動の研究およびその対策などの任務を実施する。
宇宙技術院のPham Anh Tuan副院長は、この宇宙センターが東南アジアトップの宇宙技術・科学研究施設になると期待しており、科学技術院のDoan Minh Chung院長はベトナムでの宇宙技術の発展について、まだ多いとはいえない人材育成に関心を持つべきだとしている。科学技術省Nguyen Van Lang次官によると、ベトナムは旧ソ連諸国を中心に、世界各国でこの分野を学んだ200人近くの人材がいる。今後は、米国やロシア、日本といった宇宙技術先進国での学習に人員を派遣する。国内でも技術大学やFPT大学で宇宙技術を専門に教えるようになっており、第1期生はこの1~2年で卒業する。
(Thanh Nien)
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(2010/09/25 02:58更新)
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